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基本的なしくみ
  車の屋根やボンネットは、直射日光の当たる昼間は熱くて触れないほどですが、夜になると気温より冷たくヒンヤリとしています。
また、夏の夜海岸の防波堤にすわっていると、おしりにポカポカと昼間の余熱を感じます。属は熱しやすく冷めやすい。一方
コンクリートは熱しにくく冷めにくい。 OMソーラーはこの自然現象を利用して、冬は家をあたため、夏は家を冷やすシステムです。

 OMソーラーは建物全体を「システム」として活用します。ですから暖房器具のようにポンと設置することはできません。設計の段階から、
OMによる太陽熱利用を十分に考慮して、平面立面プラン、屋根形状、基礎構造、屋根裏構造などを工夫する必要があります。


屋根で集熱する。

 太陽が当たって屋根面が熱くなると、屋根裏のハンドリングBOXの小型ファンが動き出して、新鮮な外気が軒先から屋根の通気層に吸い込まれてきます。この空気は太陽熱であたためられながら棟の方向へゆっくり昇っていき、ガラス付き集熱面でさらに温度を上げてから、棟ダクトに集められます。地域や気象条件にもよりますが、真冬でも快晴の日には棟温度(棟ダクト内の空気の温度)が50〜60℃に達します。

※鋼板だけの集熱面では、ある一定の温度まで上昇すると、熱のゲインとロスが平衡してしまい、それ以上温度が上がらなくなります。
  そこで、ガラスを被せることによって屋根上に温室状態を創りだし、更に温度を上昇させようと言うわけです。
※使用するガラスは強化ガラスです。



ハンドリングBOXで暖気は下へ
 棟ダクトに集まってきた暖かい空気はハンドリングBOXを通って立ち下がりダクトに送り込まれます。BOXの中にはダンパーと小型のシロッコファンとお湯取りの熱交換ユニットが入っていて、空気の行き先を交通整理します。
 
※ファンの駆動に電力を使いますが、その電気代は8時間稼働した場合で一日当たり20円程度です。


床下のコンクリートに熱を蓄える。
 立ち下がりダクトを通じて送られてきた暖かい空気は、床下の空気層をゆっくり流れ、蓄熱コンクリートに熱を奪われ少し冷やされてから、適温の微風となって室内に流入します。

 太陽が沈んで集熱が止まると、昼の間に熱を貯めこんでいたコンクリートがゆっくりと放熱し、暖房の効果は深夜まで続きます。

※適温の微風:30℃程度の微温風で秒速5〜15pぐらい。体温より低いので手をかざしても暖かくはありませんが、室内はいつの間にか
  暖かくなります。 


OMでは暖房がそのまま換気になる
 OMソーラーでは暖房がそのまま換気を兼用します。暖房はふつう閉じられた空間をストーブなどで温めるので空気は悪くなるのですが、OMの場合は新鮮な外気を入れることが暖房になるので、とても気持ちのよい暖かさが得られます。
 日向の匂いのするホンワリとした自然な暖かさが、家の隅々まで立ち込めている…これがOMの姿です。


夏はたっぷりとお湯取り
 夏は、BOXに取り込まれる外気はさらに高温になり70〜80℃に達します。高温の外気はお湯取りに使ったあと屋外に排出されます。お湯取りは日射の強くなる4月頃から10月頃まで効果があり、そのうち7〜9月の3ヶ月はガス代が全くかからないほど十分な温度と量のお湯がとれます。
   


夏の夜は、夜空から涼しさをもらう
 夏の夜は屋根面の放射冷却現象を利用して冷やされた空気を室内に取り込みます。夜に運転を始めて翌朝までの間に床下が冷やされて、ひんやりとした心地よさが昼過ぎまで続きます。夏の夜の外気は大量の湿気を含んでいますが、屋根の通気層で脱水され、冷やされた空気だけが室内に入るので少しカラッとした感じになります。 「冷房」とまで言えないものの、自然を活かした採涼法です。

《OMソーラーは地球にそっくり》
 太陽熱が熱放射によって地球に届くように、地球の熱もまた宇宙に向けて放射されています。夜になると気温が下がるのは、太陽からの熱放射が途絶えて熱の収入がない間も、地球から宇宙への熱の支出が続いているからです。晩秋から初冬に掛けて大気の透明度が高い時に、「明日の朝は放射冷却による冷え込みでたいへん寒くなるでしょう...」などと天気予報で解説されることがありますが、放射冷却は何も冬に限ったことではなく、年がら年中なく行われています。OMソーラーの夜の冷気取り込みはこの放射冷却現象を利用しているのです。

 地球にはイラン高原の乾燥地帯のように、夜は氷点下、昼はセ氏50度と言うような一日の温度差の非常に大きい地域がある一方で、シンガポールのように昼は35℃、夜は25℃というように温度差の小さい地域がありますが、地球全体としてみた場合の平均気温はおよそ15℃くらいで非常に安定しています。つまり地球は、太陽から膨大な熱放射を四六時中間断なく受ける一方でその熱を宇宙に向けて間断なく放射し続けているわけです。その結果、熱の収支は平均気温15℃というポイントで平衡を保っていると言うことです。昨今の地球温暖化は、CO2等の温室効果ガスの影響で、地球の熱が十分に宇宙に放射されず地球に貯まってしまうために起こる現象です。

 ところで、イラン高原のように一日の温度差(日較差)が大きい地域と、シンガポールのように日較差の小さい地域の違いは、主として水の存在に関係しています。水は熱しにくく冷めにくい、つまり蓄熱物質の代表格ですから、水分のたっぷりある場所では、昼は太陽熱を浴びても急激に温度が上がらないし、逆に夜になったからと言って急に温度が下がったりしません。地球は適量の水が存在することによって気候が穏やかになり生き物の住みやすい環境が整えられているのです。

 
 OMソーラーの場合、屋根は金属で、床下の土間はコンクリートで出来ています。金属は熱しやすく冷めやすいのでOMの屋根は昼は放射熱を浴びるとすぐに熱せられ、日が沈むと放射冷却によってすぐに冷やされます。このような金属の性質をうまく使い分けると熱を集めるときも、逆に熱を逃がしたい時もとても便利です。一方コンクリートは、熱しにくく冷めにくい、つまり蓄熱性が高いので、熱の保存に役立ちます。冬には昼のあいだに屋根が集めた熱を明け方まで保ち、夏には夜の間に放射冷却によって集めた冷気を昼過ぎまで保ちます。いわば地球における海のような役割を果たすことによって、一日のそして一年の気温の変化を和らげてくれます。つまりOMソーラーシステムは、地球の熱システムを家の中で再現する小型モデルようなものと言えるわけです。

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